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DVD 名作コレクション
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 ストーリー

・中学2年生のエリ子(多部未華子)は母親に頼まれ、帰りの遅い弟ダイゴ(岩田力)を迎えに行くことに。公園にいた弟を見つけ、一緒に帰宅につくエリ子だったがいつもの角を曲がるとあるはずの無い海が目の前に突然現われ、ぼうぜんとする2人。勝気なエリ子は目の前の現実を無視し帰宅しようとするが、途中既に死んだはずの弟のクラスメ−トのクマノイさんが犬と散歩している所に遭遇して又もビックリ!なんとか家にはたどり着いたものの、母親も父親も家からは忽然と消えていて2度と帰ってこなかった。弟ダイゴはこの世界が元々居たAという世界と微妙に違うA´(エ−ダッシュ)という世界に来てしまったらしい事を姉エリ子に説明するのだった。こうして元の世界に戻ろうと、ク−ルで勝気な姉と頼りないが洞察力は鋭い弟2人の、とってもオカシクて、とっても悲しくせつない物語が始まります。

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 解説&見所

この作品は、突然不可思議な世界に迷い込んだ姉弟の成長を丁寧に丹念に描いた秀作です。

主演は「 HINOKIO 」「 青空のゆくえ 」の演技で注目され、第48回ブル−リボン新人賞を受賞した、若手女優"の代表格とまでいわれたこの当時16歳の多部未華子。

そして多部未華子本人が「 今までの映画で一番、私の素に近いかもしれない。」と言うだけあって 「ありえない」だの 「怖え〜」 だのの現代特有の若者言葉の言い回しや、ダラダラとした投げやりな態度や、少し突っ張ったク−ルなそぶりなど、いまどきの奔放な少女像を実に的確にうまく自然体で演じています。

当事者2人にとっては結構深刻な話ですが、物語前半は姉エリ子が気の弱い弟ダイゴに気合いを入れようとからかったり悪ふざけをする女王様状態の高圧的態度や、からかう時のコントの様な会話、特に『ベッドはないだろう。』や『お前はガッカリ博士だ』だの各シチューエーションごとに登場するセリフがかなりはじけていて笑わせてくれます。

でも、後半自分の置かれた状況を懸命に生きようとする少女らしいとまどいや、元の世界に戻る為に、必要ならくがきされたカッターシャツを作ろうとダイゴをいじめていたクラスメ−トの家に乗り込み、相手に蹴りをいれる姉らしい頼れる存在感も披露。

気の弱いダイゴではあるけれど、SF好きで洞察力の鋭い慎重な性格から、死んだはずのクマノイさんに遭遇した時や、あるはずの無い町名を見た時から、既に敏感に異変をキャッチ。平行世界の説明を姉エリ子に説明するダイゴはやはり只者ではありません。

しかし勝気なエリ子は周りの少しずつ違うおかしな世界を一旦は無視しようとしますが、登校してみると、自分の友人の態度や人間関係が前日と大きく変わり、無視できない事実に衝撃を受けながら帰宅。徐々にダイゴの説を信じ始めます。

両親は消えたまま2度と帰ってこず、身内にも相談せず、考えあぐねたエリ子は、元の世界へ戻る方法を親友のマッチョに相談。マッチョはこっちの世界に迷い込んだ時と同じ姿と同じ行動をとれば可能かもというアドバイスをする。

両親が失踪して時間が経ち、遂に親戚が様子をうかがいに訪れ、2人は離れ離れに引き取られる事になり、家は売却処分の運命に。

納得できないエリ子は、何としても元の世界に帰ろうと、以前聞いたマッチョのヒントから、ダイゴを迎えに行った公園を出発点に、帰宅する過程を忠実に再現して実行する2人。夜になり家にたどりついた2人は、おそるおそるドアを開ける。

そうすると、家の中には人の気配が ・・・。 果たして、そこに両親の姿はあったのでしょうか?

ラストに近づくにつれ、母親に会えそうも無い事から来る不安に涙を流すエリ子の寂しげな表情や、唯一、元の世界と連絡の取れるテレホンカードの最後の度数を使って泣きながら母親への別れの電話をかける2人の姿はリアリティを伴なって思わず涙腺がゆるみます。

又、記念に撮ったカメラには幻の様に両親が写るのに、実際には両親は影も形も無いという設定なども非常にせつないです。

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     ラストは大きな試練を乗り越え、精神的に成長した15歳のエリ子の笑顔で終わります。

            果たしてこの2人は元の世界に帰る事が出来たのでしょうか?


                        是非あなたご自身で確かめてください。

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  BGMにも注目。ピアノやバイオリンでこの物語のコミカルさと不安や不条理を的確に表現しています。

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・公開年  : 2005
・制作国  : 日本
・上映時間 : 101分
・仕   様 : カラー
★★★★★
★★★★★
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★★★★★
★★
・名作度数
・スト−リ−
・キャラクター
・コミカル度
・せつなさ度
・ハッピ−エンド
・購入してゆっくり楽しむ。
・簡単レンタルで楽しむ。
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〜 『 ずっとこうして毎日はダラダラと続いていくんだと思っていた・・・っていうか続いてんだけど 』 〜