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〜 『 行くよ! 機龍!! 』 〜
● ストーリー
・1954年、初代ゴジラが東京上陸後、壊滅的打撃を与え、オキシジェンデストロイヤーで倒されてから45年後の1999年、突如2頭目のゴジラが出現、台風と共に房総半島に上陸。横浜八景島と品川に於いて再び猛威を振るう。特生自衛隊メーサー殺獣光線車のオペレーター家城茜三尉(釈由美子)らは出動するもメーサー光線は雨に阻まれ出力が70%ダウン。効果的なダメージを全く与える事無く、一瞬の状況判断ミスから葉山ニ尉らを死に至らしめる。この事態を重く受け止めた政府は1999年房総半島沖で発見された初代ゴジラの骨をベースに、最新鋭のメカニック&DNAテクノロジーを駆使した壮大なプロジェクトにより、新たな対ゴジラ特殊兵器MF-3
「 3式機龍 」(メカゴジラ)を4年の歳月を費やし、ついに完成させる。特生自衛隊三佐の富樫(高杉宣)は、機龍隊体長に昇進時、以前からそのオペレーターとしての腕に絶大な信頼をおき、責任問題から資料化に転属されていた家城茜を、新たに設立された機龍隊に女性としてただ一人選出し、対G特殊兵器=3式機龍の正オペレーターとして抜擢する。こうしてゴジラを迎え撃つ準備は完璧に整ったかに見えたが・・・・・。
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● 解説&見所
・まず第一の見せ場として冒頭からゴジラと家城茜(釈由美子)のメーサー車との真っ向勝負が映画を盛り上げてくれます。ゴジラという巨大な存在と人間という小さな存在の対戦バトルは66年式を受け継ぐリアルな90式メーサー殺獣光線車の再登場もあいまって東宝特撮の見せ場として文句無しの名場面です。そしてメーサー車を破壊され、同胞も失って無気力に巨大なゴジラを仰ぎ見る家城茜の前で勝利の雄たけびを上げるゴジラが絵になります。しかもこの場面では、CGを自然に使用。台風の豪雨も一粒一粒を細かく描き、ゴジラの動きに伴なって舞い上がるなど、手を抜かない細かい演出がさらに臨場感をアップしています。
今回の映画は冒頭シーンのとうり、ゴジラに挑む異色のヒロイン、家城茜(釈由美子)という一人の孤独な女性の成長の物語でもあります。
誰一人親族も無く、「自分は求められない命」と考え、たった一人で強く生きてきた家城茜の孤独。
同胞を殉職させた心の葛藤。
責任問題から資料科に転属されていた茜の3年半にもわたるひたむきな努力。
自分を認めて機龍のオペレーターに抜擢してくれた富樫(高杉宣)への感謝におもわず涙ぐむ姿。
亡くなった母の姿を忘れられない機龍開発スタッフ湯原(宅麻伸)の娘・沙羅(小野寺華那)に身を持って強さを教える茜。
「お前にはわかるよね?」と機龍に同胞として話し掛けるシーン。
ゴジラの口に特攻をかけた、かつて殉職させた同胞の弟を救うシ−ン。
決着は着かなかったもののゴジラを見送る夕日のシーン。
映画終盤、収納ドッグに静かにたたずむ機龍に敬礼して帰る茜の顔に笑顔が戻る感動のラスト。
丹念に描かれた家城茜のシーンはまだまだあります。是非あなたの眼で確かめてください。もうお分かりですよね。この家城茜(釈由美子)無しでは、この映画は成立しなかったのです。
当初、ハードな家城茜の設定を変えて監督は釈由美子さんに「明るく可愛いキャラクターでいきましょうか?」と持ちかけたそうですが、彼女はキッパリと断って元の設定に決定したという事です。
その後、敬礼に始まり匍匐(ほふく)前進、掛け声をしながらのランニング、4mもの壁越えとロープでの降下、果ては戦車での走行など1週間あまり、実際に自衛隊で訓練を受けたそうです。
又、表情の演出では、まばたきをしない様に勤めたり、呼吸のタイミングなども手塚監督からの指導があり、こうして、あの意志の強い家城茜が誕生したのでした。
そして3式機龍と呼ばれるメカゴジラですが、近未来感抜群の素晴らしいメカニックに仕上がっています。
又、ロボットではなく、初代ゴジラの骨格 (映画初登場ともいえる全身骨格は頭骨をはじめリアルで思わずその映像に引き込まれます。) を内臓したサイボーグという設定が斬新です。
シッカリ2足歩行を行い肉弾戦も行います。ミサイル砲にロケット騨を装着したミサイルランチャ−&バックユニット。口内にはツインメーサー砲、腕にはメ−サーブレード&レールガン、そして胸部には全てを凍結・粉砕してしまうマイナス273.15度の絶対零度の光線を発射する最強の武器、アブソリュ−トゼロを装備。緊急時には飛行も可能と、ゴジラと互角に戦うには充分過ぎる兵器を装備。全身武器の固まりで、思う存分戦います。
特にCGを使用したアブソリュートゼロの発射・破壊効果のイメージがすさまじく、しかも美しく描かれてあり必見です。
機龍の初戦では、戦意を失ったゴジラがあっさりと退散してしまうほどですが、その時、、ゴジラの咆哮がメカゴジラのシステムに干渉し暴走をはじめ、ミサイルを乱射、エネルギ−切れまで市街地を破壊しつくして停止するというおまけ付です。
ビルを突き破って全身するメカゴジラの暴走振りもパワフルでメカゴジラの底知れないパワーを表現していて迫力満点です!!
戦闘機で対戦現場まで、飛行輸送されるメカゴジラの場面展開もとてもリアル。
しかも、緊急時には自ら飛行する能力も装備。非難が遅れる病院周辺に進行するゴジラを阻止する為に、輸送機から緊急離脱しゴジラにアタックするシーンはまるで巨大ヒーローのようです。
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時々、本作をうわべだけ見て、ゴジラ×メガギラスの焼き直しという人がいますが、まったくの別物で、一部の隙も無く作られた本作は、本編の人間ドラマも、特撮に於いても最後までオリジナルでリアルな見せ場ばかりの、近年まれに見る素晴らしい秀作です。安心してご鑑賞ください。
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★ リアリティーにこだわった手塚監督の人間ドラマ&特撮を是非ご覧になってください
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・名作度数
・スト−リ−
・キャラクター
・ヒロイン度数
・メカゴジラ度数
・ハッピ−エンド
・購入してゆっくり楽しむ。
・簡単レンタルで楽しむ。
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ゴジラ×メカゴジラ
・公開年 : 2002年
・制作国 : 日 本
・上映時間 : 88分
・仕 様 : カラー