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〜 『 死んでしまえ・・・・・ 飛び降りろ・・・・・楽になれるぞ 』 〜
● ストーリー
・東京の郊外、町田市に住む、6年2組の気の弱い小学生マサオは、生き物がかりを決める出来事がもとで、新任教師・羽田に嫌われてしまう。それ以来、羽田は何かにつけあからさまにマサオを攻撃し注意するようになり、そんな教師を見習うようにクラスメイト達も、マサオイジメに興じ始める。反論できずに悩むマサオの前に、ある日全身まっ青の不気味な少女が現われ始める。彼女はマサオにしか見えず、徐々にマサオに近づき、遂にマサオの眼の前に現われる。
彼女は、「俺はお前だ」と独白し、イジメに悩むマサオに過激な忠告&指示を与えていく・・・・。
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● 解説&見所
この映画は、一人の教師のおびえと誰かを犠牲にして自分を守ろうとする、幼稚で無責任な行動によって不条理なイジメに翻弄されることになった主人公マサオと、そのマサオをあざ笑うかのようにあらわれた全身真っ青で不気味な少女アオを通して、一人の小学生の成長していく姿を描いたかなり壮絶な物語です。
原作は次々と名作を放つ小説界のヒットメーカー乙一。原作者・乙一自身も驚嘆した大胆なアプローチと、最高のキャスト・スタッフで彩られたアドレナリン大放出のアナーキーなフイルムアート作品に仕上がっています。
監督は『リング』(98)、『呪怨』(03)などジャパニーズホラーの代表作に携わり、乙一作品初の映画化作品『ZOO〜seven
room』で監督デビューを果たした安達正軌。
出演陣・キャストには話題の俳優が集結。主演のマサオ役は、『ALWAYS3丁目の夕日』(05)シリーズで、名優の座をゆるぎないものにした須賀健太。『花田少年史
幽霊と秘密のトンネル』 では、2007年第30回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
また、壮絶な特殊メイクを施しながらも、美しさと確かな演技力で少女・アオを見事に演じ切った谷村美月は、『リアル鬼ごっこ』(08)、『神様のパズル』(08)と公開作品が目白押しの若手実力派女優のNO.1。
そして、冷酷な虐待教師の羽田には、『ヒートアイランド』、『ROOKIES』
などの話題作で存在感を発揮した城田優を起用。
さらに坂井真紀、入山法子、博多華丸、U-15の注目女優・瓜生美咲ら、個性的なキャストは、ダークな物語世界にあたたかな光をともしています。ホラーの形を借りたマサオという1人の少年の成長物語です。
■ 見所の要点をまとめると・・・。
1 原作では男の子だったアオが、女性に変わった事。
2 なんと行ってもアオ(谷村三月)の悲惨な容姿&風貌のショッキングなメイクによるビジュアル・インパクト。
3 神出鬼没のアオが言い放つ、毒のあるセリフ&ある意味究極といえるアドバイスの小気味よさ。
4 気の弱いマサオがアオとの対話(自問自答?)により、次第に成長していく心と悪意との葛藤。
5 ラストの父(博多花丸)との会話に見られる人間としての理性を持った正当な考え方や暖かさ。
6 人間としての良心に気づかず、人を傷つける未熟な人間には,、「 目には目を 」 の力を行使する手段しかない空しさ。
7 はたしてこのアオは何者なのか?最後まで目が離せない本当の正体とは?
■ 印象的な場面、ショッキングな場面展開は・・・。
この作品の魅力は、なんといっても、もう一人の主人公でもある不気味な少女アオ。
このアオを、なんとテイクごとに、毎回、特殊メイクに3時間をかけた谷村美月が熱演しています。
その容姿は・・・。
皮膚は真っ青、右目はつぶれ、口元は裂け、裂け目を縫い合わせた糸は垂れ下がったままというかなりショッキングな風貌。
体は全身傷だらけ、白い拘束服で上半身の自由を封じられ、足は裸足(はだし)という異様ないでたち。
そしてマサオ以外には、全く見えません。
このアオは、原作では男の子なのですが、女性にした事により、映画化にあたってのビジュアル効果と、よりいっそう強烈なインパクトを与えるのに成功していて物語が一段と魅力のあるものになっています。
マサオはそんなアオに驚きますが、かなり悲惨な顔のアオを恐がらず、親近感を持つのは、マサオ自身亡くなった姉の面影をアオに感じていたからかもしれません。
マサオに「俺はお前だ」と言い放ち、傷だらけの全身は心、拘束服は手も出せない気弱な精神を表わす分身だと説明するアオ。
「君は死んだお姉ちゃんなの?」と甘えて聞くマサオに、「死んでしまえ」とあっさり言い放つアオの態度が過激で面白い。
イジメに会い、ずぶ濡れになって帰ったマサオを、「やられっぱなしだなぁ〜」と鼻で笑うアオもなかなか爽快。
これらのセリフは身内だからこそ言えるようなニュアンスが込められていて、冷たいようで実はマサオの沈んだ気持ちを怒りで奮い立たせようとしているかのようで私には逆に暖かい言葉に聞こえました。
そして夜の学校で、昼間はマサオをバカにしているクラスメートの女子3人組みを次々に血祭りに上げていくアオ。あわてて学校に駆けつけたマサオに、「でもな、全部お前がしたいと思っていたことなんだぞ」と言って笑って消えるアオ。
翌日、男子3人のイジメにあったマサオは、アオの影響を受けて遂に切れて噛みつき、けり倒して反撃に出ます。反撃にあい、シュンとする3人。いじめる人間といじめられる人間は表裏一体という事が、実によく表現されています。
次にあらわれたアオは、今度は担任の羽田と、「おまえ自身の力で戦え」と言い出します。
マサオはアオを自転車に乗せて羽田のマンションに様子をうかがいに行く。この場面はとってもユ−モラス。
妹とにこやかに会話している羽田を見て、「ぶっつぶしてやれ、2度とあの笑顔が出来ない様にしてやるんだ。」とどこまでも過激なアオ。
この日の帰り道、偶然会った父親にマサオは聞きます。「誰かにひどい目に会わされたらお父さんだったらどうする?」 この時の父親の答えは、人間のとるべき理想と、この映画の良心を表わしていてホッとします。
翌日、アオにそそのかされ、羽田の留守中に家に入ったマサオに、壮絶な展開が迫ります。
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★ 人間失格の教師・羽田&マサオとの衝撃的展開と結着は、是非あなたの眼で確かめてください ★
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そしてその後、アオは本来の本当の姿に・・・・。
やっぱりアオは●●●●●●だったのか。と思わせる感動のシーンです。
★ 人間の本質に迫る衝撃の問題作であり、名作です。是非ご覧下さい ★
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・名作度
・スト−リ−
・キャラクター
・ホラー度
・悲惨 度
・ハッピ−エンド
・購入してゆっくり楽しむ。
・簡単レンタルで楽しむ。
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・公開年 : 2008年8月30日
・制作国 : 日 本
・上映時間 : 95分
・仕 様 : カラー
死にぞこないの青