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DVD 名作コレクション
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ーに              〜 『 20年前の刺激的な夏は・・・母の家出で幕を開けた。 』 〜 
 ストーリー

・不動産会社の営業として真面目に働く30歳の薫。弟の結婚話をきっかけに、20年前にヨーコさんと過ごした刺激的な夏休みを回想していく。小4の夏休みのはじめ、父と喧嘩が絶えなかった母が家を出た。その数日後に薫の家に突然やって来たヨーコさん(竹内結子)は、神経質な母親とは対照的な大らかな人。煙草をスパスパ吸い、性格はサバサバ、大らかで気が強い。ドロップハンドルの自転車を颯爽と走らせ、お上品なルールとは無縁、自由な精神にあふれた女性だが、繊細な優しさも併せ持っている。長女らしい生真面目さを持つ薫(松本花奈)には驚きの連続。でもヨーコさんは薫を子ども扱いすることなく、薫の長所を鋭く見抜き、「尊敬する」なんて言葉までさらりと、そして真剣に言う。そんなヨーコに、それまで甘え下手だった薫も知らず知らず影響され、ありのままの自分をのびのびと解放させる楽しさを味わっていく。

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 解説&見所

監督に根岸吉太郎を向かえ、芥川賞作家・長嶋有の同名デビュー小説を映画化!

この作品は、10歳になる少し内気な少女かおる(松本花奈)と、父(古田新太)が連れて来た自由奔放な女性・洋子(竹内結子)が、互いの個性を尊重しあって絆を作り上げていく、ひと夏の心の交流を描いたあたたかくてさわやかな感動作です。

この作品は2年ぶりの映画出演の竹内結子がイメージチェンジ。サバサバした明るくて大胆なキャラクターを好演しているところがとても新鮮です。

そしてひと夏の貴重な体験をする主人公の10歳のかおる。子供にとって大人や他人は好奇心の絶好の対象。その大人の行動・考え方全てが新しく、距離を置きつつも自分の常識とどれだけ違うのかいつもアンテナを立てている状態が随所に描かれていて見事です。

子供と大人という垣根を取り払った薫&洋子の世界は親子以上に微笑ましく自然に描かれていて癒されます。 洋子の自転車にこだわり、颯爽と走るライフスタイルも、かおるの無意識の期待感やあこがれに自然に応えているところが見ていてとてもすがすがしい。

麦チョコの(子供にとって)豪華で大胆な一気買い、何も言わなくとも、空気も抜け、放置された自転車を簡単に直してかおるに渡す期待に応えるたくましい実行力&やさしさ。かおるの疑問に的確に答え、対等に接するあたたかさ。合間には読書もかかさない聡明な人物像。かおるの父の危機には自腹でお金も工面してしまう太っ腹で懐の深い一面も。彼女は単なる自由奔放な女性というキャラクターでは無く、おおらかだけど、決して雑ではなく、『 繊細で大胆、人の気持ちがわかる大人の女性 』だという事がしっかりと描写されています。

そして、かおる役の松本花奈のピュアで自然な演技が本当にうまい!彼女は名子役です。

初めて洋子に会ったときのおどおどした表情。内気な少女という役の嬉しい時の控えめな笑顔。父と歩く時の立ち位置のこだわり方、夢がかなってサイドカーに乗った時の満面の笑顔。ラスト近く、自販機の警報が鳴ってどぎまぎする演技のうまさと、自販機からピュ〜と風を切ってあっという間に遠ざかって逃げる、まるで漫画の様な子供独特の素早さには脱帽!!

そして、その実力を的確に引き出し、演出する監督の感性とカメラワークにも大拍手です。

それにしても家出した母親の存在感が全く無く、とうとう最後に母親が帰ってくるまで、かおるの口から母親の行方を気遣う言葉はただの一回も出てこないのにはついつい笑ってしまいます。


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  30歳の薫が、弟から聞いた洋子の住所、4丁目のアパートを訪れるラストシーンは郷愁を誘います。


       ★ 子供の頃の思い出をみずみずしく捉えたこの映画は間違いなく名作です ★

                 是非あなたの思い出の貴重な1作にして下さい。


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                                  小さなサプライズ
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(本作の監督が2009年にモントリオール映画賞を受賞した「ヴィヨンの妻」の原作を竹内結子が読んでいる場面は、原作にもあり、偶然とはいえ、面白いサプライズ場面です。)


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・名作度数
・ストーリー
・キャラクター
・ハートフル度
・子役 度
・ハッピーエンド
・購入してゆっくり楽しむ。
・簡単レンタルで楽しむ。
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・公開年  : 2007年6月30日
・制作国  : 日 本
・上映時間 : 分
・仕 様   : カラー
「夕暮れに伸びる影〜」で始まる主題歌もこの映画にピッタリの郷愁をさそう名曲です。歌手のYUIさんは、ラストの河原での自転車に乗った2人の優しいイメージがとても気に入って曲作りをされたそうです。  
          ↓
  YUI  「Understand」
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