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暗いところで待ち合わせ 〜 『 。 』 〜
● ストーリー
・交通事故で視力を失ってしまったミチル(田中麗奈)は、父親(岸部一徳)と2人静かに暮らしていたが、その最愛の父の病死で、深い悲しみを胸に大きな家にたった1人で暮らしていた。ある朝、チャイムが鳴り、ミチルは玄関のドアを開けるが、家の前にある駅で起きた殺人事件の容疑者として警察に追われる男、アキヒロ(チェン・ボーリン)が、身を隠すために素早く家の中に忍び込むのに気が付かなかった。時が経つにつれて、次第にミチルは、誰かの気配を感じ始める・・ 。
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● 解説&見所
・人気作家乙一原作の最高にして最大のベストセラーが、初の長編映画化となった記念すべき、傑作サスペンス・ドラマ。
脚本・監督は、故・今村昌平監督を父に持ち、緻密な人物描写に定評のある天願大介。
眼は見えなくてもしっかりと自分のポリシーを持ち、強くはないけれど、等身大で生きていく盲目の女性役を、少しふっくらとした田中麗奈が思わず守ってあげたくなる様な物静かな少女をリアルに好演しています。
いつも元気な役が多い彼女ですが、そのギャップが功を奏して、演技が光る素晴らしい作品になっています。
家を出て行った母親、亡くなってしまった父親、頼りにならない気まぐれな友人、それぞれによせる思いや葛藤、孤独感などの心象風景が随所に描かれ、何故、彼女が父親が亡くなってからもたった一人でこの家に済んでいるのかがしっかりと描かれていて人物像や脚本にブレが無く、好感が持てます。
警察に追われ、心に闇を抱える日中ハーフの青年・アキヒロ役には、アジア各国で絶大な人気を誇る台湾の若手俳優チェン・ボーリンが熱演。
いわれの無い差別をうけながらも、人を思いやるやさしさを失わず、盲目であるミチルの顔に落下してきた皿を間一髪で受け止めるシーンなど、影ながらもミチルを助けるあたたかいシチュエーションには心癒されます。このシーは見ているこちらも一瞬息を止めてしまいました。
この映画にはたたみかける様なテンポはありませんが、佐藤浩一や岸部一徳、佐野史郎など実力派が脇をかため、井川遙、宮地真緒、原史奈が華を添え、ミチルの淡々とした日常&非日常を描いた物語に深みを与えています。
しかも、本当の殺人犯が実は身近にいるという恐怖感が静かに迫ってきます。
目が見えないがゆえにその鋭い洞察力で、パズルを合わせる様に犯人を探り当ててしまうミチル。
そしてそのミチルに犯人が迫った時、彼女を救いに駆けつけたのは・・・。
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いつも活発な役を演じてきた田中麗奈が、今回は徹底した役作りとともに、寡黙でリアルな盲目の少女役を演じきり、グイグイ映画に引き込んでくれます。乙一の原作もさる事ながら、実力派女優・田中麗奈の熱のこもった演技の一面が見所の名作です!
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★★★★★
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・名作度数
・スト−リ−
・守ってあげたい度
・サスペンス度数
・癒され度数
・ハッピ−エンド
・購入してゆっくり楽しむ。
・簡単レンタルで楽しむ。
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・公開年 : 2006年
・制作国 : 日 本
・上映時間 : 130分
・仕 様 : カラー