●　ストーリー

・　九州の阿蘇地方である日突然、死者が次々と、生前そのままの姿で黄泉（よみ）がえり、それぞれ思いを寄せる生者の元へと帰ってくると言う不可思議な現象が発生した。この奇妙な事態に、調査に乗り出した厚生労働省勤務の川田平太（草なぎ剛）は、死んだ親友・俊介のフィアンセであった橘葵（竹内結子）と、調査に訪れた故郷の熊本で再会する。調査の過程で、強い思いがよみがえりに関係しているかに見えたが、蒼が切望した俊介のよみがえりは遂に起こらなかった。葵に密かに思いを寄せる川田は、俊介に蘇ってほしくなかったが、やがて葵の重大な事実を知らされ、なんとか俊介を黄泉がえらせようと画策するが・・・・。

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●　解説＆見所

この映画は、既に亡くなってしまった人にもう一度会いたい。会って伝えたい事、してあげたい事など、みんなが亡き人に一度は願う強い願望により、亡くなった人々が何故か生き返り、生前そのままの姿で人々の目前に現われるという衝撃的な作品でした。

この奇跡のような超常現象により、手放しで歓喜して純粋に喜ぶ人もいれば、幼くして行方不明になった息子や、けんかで命を失った夫、自殺した中学生がその当時のままに突然帰還して戸惑う家族など、単なる癒しの話しではなく、実際にこんな現象が起きた場合の現実とのギャップやそれぞれの家族の葛藤までも、映画本編ではひとつひとつのケースを取り上げ、問題提起して描いているところがリアルで、しっかりとした作品世界を構築しています。

主演の草薙剛も、亡くなった親友のフィアンセ・橘葵に想いを寄せて悩む一般人的な役で、今までのいい人役ではなく、葵に寄せる想いがあるがゆえの焦りや葛藤や嫉妬でずいぶんと感情をあらわにした苦悩する生身の青年を演じていて好感が持てます。

しかも、葵役の竹内裕子との友達以上、恋愛未満的な微妙な距離の２人のアドリブ込みの演出が結構リアルで、コミカルだけれども笑ってばかりもいられないような本当はお互いにどう思ってるんだろうと詮索したくなる秀逸なシーンが多々あります。

生き返った本人たちは生前そのままの記憶と、死ぬ時に負った傷などはなぜか綺麗になくなった健康時と寸分違わぬ肉体を持って帰還してきます。身に付けている服さえもそのまま復元されて。

しかも自分が死んだ事さえ気づかずに・・・。

実はここにラストサプライズ、大どんでん返しが待ち受けています。

何故、平太の親友であり橘葵のフィアンセ・俊介は蘇らないのか？　

全てはラストに集約されています。

物語後半、森林に発見された巨大なクレーターから発せられる重力異常と未知のシグナルの及ぶ範囲内でしかよみがえりが起こっていない事がわかり、よみがえりの最低条件も遂に解析されます。

葵に関しても警察から、衝撃の事実が川田に告げられます。

そして、よみがえりの人々がこの世に生き返っていられる時間にも限りがあり、明日の夜までというタイムリミットが本人達から告げられます。

時間が無い事を知った川田は、そのタイムリミットまでに、何とか俊介をよみがえらそうと奔走しますが ・・・。

ラストの川田＆葵、２人の携帯での会話と、２人の告白の１０分間は必見です。

是非この不思議なファンタジーというには少し切ないラストを、あなた自身が体感して確かめて下さい。

そして、あなたに、好きな人がいたら、手遅れにならないうちに告白しましょう・・・。

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　★ 人々の純粋な願いが悲哀を超えて奇跡を呼び起こす感動のラブ・ファンタジーです。★

　　　　　　　　　　　　　　　　　　この名作を是非ご覧下さい。


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